「卵は完全栄養食品だから食べましょう!」と言われることがありますが、卵にも足りない栄養素があります。
とはいえ卵は「ほぼ」完璧。
タンパク質が豊富な上、アミノ酸スコアも100なので積極的に食べるべき食材であるということは紛れもない事実です。

卵料理得意ですよ!レンチンゆで卵!
確かに卵は、安いし栄養価も高い、調理方法も色々あって、どんな食材にも合う最強の食品なのです。
しかし、全ての栄養素を網羅する「完全栄養食」ではないんですよね。

実は足りない栄養素もあります。
今回は「卵に足りない栄養素を知って、それをプラスして本物の最強にしよう!」というコンセプトのお話。
なぜ卵は完全食(完全栄養食品)と言われるのか?【足りない栄養素とは?】
「卵は完全栄養食品だ」ということを聞いたことがある人も多いのでは?

とりあえず卵を食べておけば栄養とれると思ってますけど…。

栄養抜群ですから、積極的に食べてOKです。でも、足りない栄養素も覚えておきましょう。
卵には多くの栄養が詰まっているため、栄養バランスのとれた食材として「完全食」と言われたりもします。
しかし卵にも足りない栄養素があるので、全てがパーフェクトな食材とは言えません。

何が足りないのか、教えて下さい!
ということで、以下に卵1個あたりのカロリー・たんぱく質・脂質・炭水化物その他の栄養素をまとめました。
足りない栄養素も明らかに!
卵1個のカロリーと栄養素:たんぱく質・脂質・炭水化物など【栄養成分表】
栄養成分表 全卵1個(60g)あたり
カロリー(kcal) | 91 |
---|---|
たんぱく質(g) | 7.38 |
脂質(g) | 6.18 |
炭水化物(g) | 0.18 |
-糖質(g) | 0.18 |
-食物繊維(g) | – |
食塩相当量(g) | 0.24 |
ビタミンA(μg) | 90 |
ビタミンD(μg) | 1.08 |
ビタミンE(mg) | 0.6 |
ビタミンK(μg) | 7.8 |
ビタミンB1(mg) | 0.04 |
ビタミンB2(mg) | 0.26 |
ナイアシン(mg) | 0.06 |
ビタミンB6(mg) | 0.05 |
ビタミンB12(μg) | 0.54 |
葉酸(μg) | 25.8 |
---|---|
パントテン酸(mg) | 0.87 |
ビオチン(μg) | 15 |
ビタミンC(mg) | – |
カリウム(mg) | 78 |
カルシウム(mg) | 30.6 |
マグネシウム(mg) | 6.6 |
リン(mg) | 108 |
鉄(mg) | 1.08 |
亜鉛(mg) | 0.78 |
銅(mg) | 0.05 |
マンガン(mg) | 0.01 |
ヨウ素(μg) | 9.6 |
セレン(μg) | 19.2 |
クロム(μg) | – |
モリブデン(μg) | 3 |

こんな表見せられても、何が足りないのか…。あれ?

気づきましたか?「食物繊維・ビタミンC・クロム」の欄が空白ですね?
「卵にはビタミンC・食物繊維・クロム」が足りないということになります。

なるほど?でもそれぞれどんな役割があるんだろう?
卵に足りない栄養素1:ビタミンC
卵に足りない栄養素の1つ目はビタミンC。
■ ビタミンC
水溶性ビタミンの一種で、大航海時代に船乗りたちが新鮮な野菜や果物を食べられないために起こった『壊血病』を予防する成分として、オレンジの果汁から発見されました。

レモンから発見されたのかと思ってた。
多くの哺乳類はビタミンCを体内合成することができます。しかし、人間は体内合成できませんので外部から摂取する必要があります。
ビタミンCの効果とはたらき
ビタミンCには様々な効果があります。

ビタミンCには抗酸化作用があると言われています。
卵に足りない栄養素2:食物繊維
卵に足りない成分その2は「食物繊維」
食物繊維は消化・吸収されずに、小腸を通って大腸まで達する食品成分です。
便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。
現在ではほとんどの日本人に不足している食品成分ですので、積極的に摂取することが勧められます。
引用:食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省))

確かに卵には食物繊維はなさそう。イメージ通りだわ。

食物繊維は1日20g程度摂るべきだと言われています。
卵に足りない栄養素3:クロム
卵に足りない成分その3は「クロム」
クロムはミネラルの1つ。すべての細胞に含まれ、炭水化物や脂質の代謝を助けます。
糖尿病、高脂血症、動脈硬化などの、生活習慣病予防に効果があると期待されています。
卵の白身(卵白)の栄養:良質なタンパク質とビタミンB
卵白には人の体を作るために欠かせない、たんぱく質が豊富に含まれています。
卵白(卵の白身)の成分の約87%が水分、約12.5%がタンパク質であるとされています。

白身のほとんどがたんぱく質だったなんて!
しかも低脂肪で、筋肉の合成に不可欠なビタミンBが豊富なので、ダイエットをしている方やボディメイクをしている方に人気です。
卵白は低カロリー
卵白の成分の87%が水分で12.5%がたんぱく質ということで、ほぼたんぱく質ですからカロリーも低いです。
ボディビルダーなどは卵白のみを取り出して食べるという方も多いのだとか。

徹底しているなぁ。
卵の黄身(卵黄)の栄養
では卵黄の栄養はどのようなものがあるのか。
ビタミンB郡:体作り・疲労回復など
ビタミンA:新陳代謝・美肌
ビタミンD:免疫力の向上
コリン:記憶力・認知症対策
卵はアミノ酸スコア100
アミノ酸はたんぱく質が分解されて作られる、カラダを作る成分です。
カラダを構成するためのアミノ酸は20種類ほどあり、その中の9種類は必須アミノ酸と言われていて、ヒトのカラダで作り出すことはできません。

んんんん!アミノ酸生成するぞぉぉぉ!!

(この人大丈夫かな?)
すべての必須アミノ酸が必要とされる量を満たしている場合に、アミノ酸スコアは100になります。

卵のアミノ酸スコアは100ですから、理想的なたんぱく質と言えます。
アミノ酸の「桶の理論」
アミノ酸スコアに限らず、多くの栄養素にも適用できる「桶の理論」。
— アスリート必見の栄養情報局 (@ukaguoyie) May 24, 2017
一つの栄養をしっかり摂っていても、各栄養素をバランスよく摂取しないと実際には身体の中ではうまく働いていない、ということを表しています。
相互に影響を及ぼして働く栄養素が多いということですね。 pic.twitter.com/sizCHxSCfZ
必須アミノ酸は、必要量に足りていないアミノ酸がある場合、その足りていないアミノ酸を基準にして合成されると言われています。
これを「桶の理論」といいます。
アミノ酸スコアが低い食べ物の場合はこの現象が起こる可能性があります。

卵は理想的です。
卵は1日に何個食べていいの?:コレステロールは昔話
少し前は「コレステロールがヤバい!」とテレビでも散々取り上げられていましたが、最近は「コレステロール」は話題に上がりません。
厚生労働省が5年ごとに出している「日本人の食事摂取基準」で2010年まではコレステロールの目標値が定められていましたが、2015年からは目標値がなくなりました。
コレステロールの目標値 | |
---|---|
2010年 | 2015年 |
男性:750mg未満 女性:600mg未満 | なし |
食べ過ぎたらどうなる?ヤバい?
日本養鶏協会では1日に2個程度の卵を食べることを推奨しています。では1日に5個などの卵を食べても大丈夫なのでしょうか?
ボディビルダー&タレントのなかやまきんに君は毎日5個のゆで卵を食べているそうです。

冷蔵庫に卵めっちゃ入ってそう!
ボディビルダーといえども、内臓は鍛えられませんので、卵をたくさん食べても大丈夫だということを彼が1つの証明になっているのかもしれません。
オムライスや親子丼などで1日にたくさん卵を食べても大丈夫ですね。

何事も○○し過ぎは良くないですから、普通に食べる分には問題ないでしょう。
調理方法によって栄養に違いは出る?:生卵・ゆで卵・温泉卵
卵は調理方法によって栄養に違いが出る?
生卵の栄養

カロリー | 91kcal |
---|---|
タンパク質 | 7.4g |
脂質 | 6.2g |
炭水化物 | 0.2g |
ゆで卵の栄養

カロリー | 91kcal |
---|---|
タンパク質 | 7.7g |
脂質 | 6.0g |
炭水化物 | 0.2g |
温泉卵の栄養

カロリー | 91kcal |
---|---|
タンパク質 | 7.4g |
脂質 | 6.2g |
炭水化物 | 0.2g |
結論:ほぼ変わらない
生卵や半熟卵の場合は少しだけ殻に残ってしまう部分を捨ててしまうため、少しだけ可食部が変わります。
また、熱に弱いビタミンなどは若干減りますがほぼ変わりません。

卵は何にでも合うし、最強だな。

加熱調理後は保存期間が短くなるので、ゆで卵なども作ったらなるべく早く食べましょうね。
卵を食べるメリットを6つ紹介【結論:最強】
卵を食べるメリットは計り知れません。メリットを上げればキリがありませんが、代表的な効果を6つご紹介。
メリット1:卵のコリンで脳を活性化

卵に含まれる「コリン」という成分は記憶や学習に深く関わる神経伝達物質です。
たくさん勉強する子どもたちはもちろん、記憶力向上・ボケ防止などにも役立ちます。
メリット2:卵を食べてもメタボにならない

卵の栄養素を思い出してもらえれば分かる通り、卵には「糖質」がほとんど含まれていません。
炭水化物(糖質)は内臓脂肪の原因の1つと言われています。
メリット3:抗酸化作用で若々しく

卵に含まれる抗酸化作用のある成分は以下のようなもの
・メチオニン
・ビタミンA
・ビタミンB6
・ビタミンE
・カルチノイド

卵を食べて若返るぞ!
メリット4:カラダづくりの基本たんぱく質

前述したように、卵のアミノ酸スコアは100。
良質なたんぱく質でカラダづくりに最適。

たんぱく質は筋肉以外にも・髪の毛・肌・爪・細胞などを作ります。
メリット5:肝臓に優しいメチオニン

卵に含まれる成分「メチオニン」は二日酔いの薬などに必ず入っている成分です。
肝臓の回復に力を貸してくれる3つのアミノ酸「シスチン」「グリシン」「グルタミン」も含まれているので、ちょっと飲みすぎたな~という時には、卵料理がおすすめ。
メリット6:リゾチームで免疫力アップ

卵白に含まれる酵素の「リゾチーム」は、体内の有害ウイルスを溶かすはたらきがあります。
殺菌効果も抜群で免疫力を高めるので、風邪薬にも使われています。
おすすめの食べ方:足りない栄養素を補う調理法
卵に足りない栄養素は「ビタミンC」と「食物繊維」「クロム」ですから、それを補うようにして食べるのが最強の調理方法。
卵+野菜サラダ

鉄板中の鉄板。野菜と一緒に食べると食物繊維とビタミンCを一緒に摂ることができます。
ビタミンCを多く含む野菜は、ピーマンやブロッコリー・キャベツなど。冷凍のブロッコリーなども超手軽なのでおすすめ。
調理とか面倒くさい?サプリでビタミンCと食物繊維を摂る。

私のような最強の面倒くさがりの人は、サプリメントや完全栄養食などで足りない分の栄養素は補いましょう。

サプリってどうなんです?

栄養はなるべく食品からとることが望ましいですが、足りない栄養素を補い分には役に立つと思います。
まとめ:卵は”ほぼ”完全栄養食品だから毎日食べよう!
【結論】卵はほぼ完全栄養食品なので、できるだけ毎日食べよう!

卵最強伝説ってことで。完!!
時短で食べられるゆで卵最強ってことで、よろしいですかね?
コメント